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パイプのコラム

<初めて吸ったときの感想>
矢も楯もたまらなくなってとうとう購入。銀座・菊水で25,000円。僕が買ったパイプの中では最高額である。それでも欲しかった逸品。これを自分の伴侶とするつもりであった。そもそも僕のパイプの興味のきっかけはシャーロック・ホームズからなので、ホームズが吸ってるようなパイプがぜひとも欲しかった。ホームズの絵を見ると、どれもこれも口にくわえているのはキャラバッシュ・パイプである。例外もあるが、ほとんどがこれなので、これを買わない手はなかった。
小説の中ではキャラバッシュという言葉は一言もでてこないらしいが、フランケンシュタインのイメージをボリス・カーロフが作ってしまっちゃったのと同じく、誰かがホームズ=キャラバッシュ・パイプというイメージを植え付けて、その情報だけが一人歩きしてどんどん広まっていったといえる。
キャラバッシュ・パイプは海外ではゴード・パイプあるいはゴード・キャラバッシュ・パイプといわれているが、ゴードとはひょうたんである。中が空洞なので、自然と煙が冷やされ、クールスモーキングが楽しめるということだ。
ボウル部はメシャムでできている。僕はメシャム自体初体験である。メシャムの手触りはなかなかいい。メシャムはブレイク・インしなくてもいいとどこかで読んだことがあるので、僕はとりあえずブレイク・インが終わったものとして、葉を詰め込んでみた。始めに試したのは「ダンヒル・マイ・ミクスチャー965」。火皿が丸っこいせいか、それともカーボンがついてなくてスベスベだからか、葉がスカスカになりがちである。なかなかきちっと詰められないが、とりあえず着火。思ったより息を吸い込まないと火が移らなかった。着火の様子が視界にはっきりと見えるのはキャラバッシュならではの利点だ。
口にくわえてみると、その構造から、ステムがポキッと折れてしまうのではないかと少し心配になった。僕が買ったパイプはなぜか吸い口が微妙に斜めに曲がっていた。もともとこういう風に曲がっているのだろうか? とにかくこれでは左の歯でなければ噛みにくい。
さすがに煙が冷え切って、まったく熱さを感じさせない。胴体部もかなり強く吸ってみても、なおも冷たいままだ。
しかし、味がしない。味までスカスカになってしまうのか? あまりにもクールすぎて、ずいぶんと物足りない気がする。香りも弱く感じた。ちょっとキュウリの匂いがするのは気のせいか?
葉がなかなか固定できず、煙道が真下にあるせいか、息を吐いたときに時々灰が舞い上がってしまうのも頂けない。カーボンがつけばそんな心配もなくなるのかもしれない。
首を何度もかしげながら、いつの間にか煙草が全部灰になった。メシャムのフタを開けてみると、ひょうたんの底に灰がこぼれていた。見た目ではまったく煙道が湿った感じはしない。モールで掃除してみたが、ほとんど汚れていなかった。不思議だが、ヤニの形跡がまったくといってなかった。本当に僕は煙草を吸ったのだろうか??
まだまだ僕の修行が足りないようなので、しばらく練習の日々が続きそう。25,000円もしたのだから、なんとしてでもマスターしようと思う。(2005/5/24)

<吸い慣れてからの感想>
キャラバッシュ・パイプを買ってから2週間経った。まだブレイク・インは終わっていない。メシャムはなかなかカーボンがつかない材質なようだ。
僕はこのメシャムのまろやかさがすっかり好きになった。今ではこのパイプが一番のお気に入りだし、家では必ずこれを使っている。少々重たくて長時間くわえっぱなしは難しいが、手に持ったまま吸えば気にならない。
僕の趣味は映画だが、映画を見るときのお供にこれは最適である。けっこう火皿が大きめで、詰めた分のタバコはちょうど2時間で吸いきれる。それでもパイプはほとんど熱くならない。映画が終わった頃にタバコも終わるという感じだ。ここまで長くゆったりと吸えるなんて、これぞ至福の時。
初めて吸ったときに「味がしない」と書いてしまったが、それは胴体が全然熱くならないから、つい強め強めに吸ってしまって、それで香りが破壊されてしまったからだった。リラックスして吸えば、タバコ本来の味が直接伝わってくるというのに。
僕はパイプが元来下手なので、他のパイプではなかなか最後まで吸うことがない。他のパイプだとジュースなどの原因で、最後の方が苦くなってしまうのだ。しかしキャラバッシュ・パイプは真下から空気が行き来するので、まったく最後まで味が変わらない。火種の維持が容易く、なんと、タンパーを途中で使わずに、最後の最後まで吸うことが出来る。むしろタンパーを使うと灰が胴体の内部にこぼれ落ちてしまうので、タンパーは途中からは使わない方がいいようだ。こぼれた灰はひょうたんの繊維にこびりついてしまうので、長く使っていくためには絶対にこぼすわけにはいかない。
面白いことに、このパイプはほとんど掃除しなくても良い。メシャム製の火皿は汚れが付かないし、煙が柔らかいせいかステム内部にもヤニがたまらない。まったく素晴らしいパイプである。
欠点をいえば、こぼれ落ちたジュースがひょうたんにしみこみ、その匂いが残ってしまうことだろう。ジュースは発生しないように細心の注意をはらっているつもりだが、僕は初回に強く吸い過ぎたせいか、ジュースが発生したらしく、そのジュースのつんとしたニオイが今もなお残っている。吸っている間はまったく気にならないニオイだが、消えているときには割と気になるニオイだ。
また、製造業者にもよると思うが、僕が使っているBC製の吸い口は妙に異臭がする。噛みすぎが原因だろうか?
総じて、デメリットは無視できないが、それをはるかに勝るメリットの数々が魅力的。僕のライフスタイルを決めたパイプだと言える。(2005/6/3)

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