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パイプのコラム

僕がパイプをくゆらせているとき、常々思うのが、こんなにパイプはおいしいのに、どうして誰もパイプを買わないのかということだ。この味を知らないのはあまりにももったいない。パイプなんて世の中にごまんとあるのに、自分の身の回りでパイプを一度でも試したという人が一人もいないのはどういうことだろうか。本屋に行ってもパイプの本は一冊もないし(それがきっかけで僕はこのホームページを始めたのだけれども)、だからパイプを扱っているタバコ屋も数えきれる程度しかないのだと思う。僕が「パイプのお店」の企画を考えたのも、東京都内ならば全店回れそうな気がしたし、ニッチだが読者のニーズは十分にあったからである。

コンビニには何でもある。雑誌もあるし線香もあるしCD-Rもある。しかしパイプはない。アメリカのコンビニにはプレミアムシガーが普通に売ってあるのに、品揃え豊富といわれた日本のコンビニにはシガリロすら置いてない。せめてダンヒルのミクスチャーくらいはストックがあってもいいのではないかと思うが、もしもコンビニでパイプが売ってあったら、今の世の中どうなっていただろうか。

さっきとは逆のことを言うようだが、僕はパイプは今のままでいいと思うし、これ以上普及しなくてもいいと思う。もしもコンビニでパイプが売られていたら、パイプ・スモーカーとしての誇りが失われるような気がしてならないからだ。誰しも簡単にコンビニでパイプを買えるのなら、パイプへの愛着も薄れる。そして何より、自分だけがパイプを所有しているという優越感にも浸れないではないか。そもそも幼少からあまのじゃくだった僕がパイプを始めたきっかけは唯ひとつ「誰もパイプを吸わないから」だった。パイプを始めるからには、ある程度の決意を持って欲しいものだ。ちょっとやってみようかな、という生半可な態度で始めてもらいたくない。

以前僕が友人にパイプを勧めたところ、興味を持ってくれたので、僕は友人にパイプセット一式とパイプたばこ一袋をまるごとプレゼントしたことがあったが、友人は2・3回挑戦した後、すぐにやめてしまった。僕があげたたばこがほとんど一袋分無駄になったわけだ。それ以来、僕は「良い物を独り占めする」という意味で、パイプは自分だけの取っておきの楽しみにすることにした。ちなみに僕は8ミリフィルムカメラと映写機を持っているが、パイプも8ミリもお互い似たようなものだと思う。良いものなのに、その存在に誰も気づこうとしないからだ。

そうなると、少ないけれども、パイプを扱っているお店にはぜひとも頑張ってもらいたい。僕もこの3ヶ月で色々な店を飛び込み取材したが、たばこのことに限らず、多くのことを学んだ。残念ながら取材拒否も4・5件あったけれども、たいていの店は取材に大変協力的であった。たかが趣味のページなのに、そこまでしてくれるのかと、感動を覚えたものだ。僕が取材を経て一番学んだことは、パイプ・スモーカーには嫌な人はいないということだ。ウチの掲示板の常連もみんないい人たちばかりだ。僕は自分がパイプ・スモーカーであることを誇りに思う。(2005/9/23)

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