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パイプのコラム

ラーク

 以前から何度か書いてきたが、僕はパイプ党にして、シガレットをまともに吸ったことがない。「シガレットも知らずにホームページで偉そうにパイプを語って良いのか」と思われてもしょうがないだろう。でもここはひとつ経験として、僕も試しにシガレットを購入してみることにした。でなきゃスモーカーとしての幅も利かないだろう。僕がこの日選んだのは、ラークだ。まわりにこれを吸っている人が一人もいなかったので、へそまがりの僕は試しにこれを選んだ次第だ。僕の敬愛するビートルズが吸っていたとされる銘柄で、ジェームズ・コバーンがCMをやっていた。前もって書くが、ここではたまたまラークを選んだだけであって、シガレットであればマールボロでもマイルドセブンでも、別に何でも良かった。
 いざ、試飲。しかしパイプとシガーに慣れた身としては、シガレットもパイプのようにしか吸えなかった。つまり、ただ口で吹かすだけ。とても肺に入れる気にはなれなかった。というか、僕が不器用で、どうやって肺に煙を通すのか、その呼吸のメカニズムがよくわからないのである。とりあえず吹かすだけ吹かしてみよう。口腔喫煙だ。
 まずは火をつけずにくわえて息を吸ってみた。火をつけていないのに味がする。ちょっとスーッと舌が冷える味だ。いよいよ着火してみると、味がひどい。一言で言えば紙の味だ。紙巻きだからしょうがないかもしれないが、まるでコピー用紙を舐めているような気分であった。はっきりいって気持ちよくない。煙は廃棄物のカタマリともいうべきエグさ。目に副流煙が入ってヒリヒリする。香りも雑で臭い。葉そのものはなかなか良い香りだが、着荷すると紙が匂うのだ。周りのスモーカーのほとんどがパイプを知らずにシガレットしか吸わないのが哀れに思えてきたくらいだ。別にシガレット党をけなしているわけでもなく、ジェームズ・コバーンにもラークにも恨みがあるわけでもないが、僕のシガレットの感想はそんなものだった。僕がいいたいのはパイプは凄いということ。しかしこれは、あくまで口腔喫煙で比較した場合の話だ。
 どこかのサイトで誰かが書いたラークの感想を読んだことがある。ラークは味でも香りでもなく、喉越しと刺激がいいらしい。つまりは肺にいれてなんぼである。肺喫煙して初めて真価がわかるということだが、結局僕は肺に入れることはできなかった。第一、肺に入れたとしても最初は体が受け付けないとわかっているし、慣れるまでは時間がかかるだろう。かといって、慣れてしまってからではニコチンに依存してしまって、やめられなくなる気がする。そんなことなら始めから肺になど入れなくてもいいと思った。おそらくこのサイトの読者の80%はシガレットをたしなむと思うが、僕は彼らを軽蔑しているわけではないが、こんなに苦い煙を肺に入れることなど、考えただけでも恐ろしくてとても僕には真似できない。というか、僕にはそんな度胸がない。パイプは肺に入れなくても満足できる。やっぱりパイプはスバラシイ。これからも僕はパイプだけをやっていこうと思った。
 実は当サイトの名前は開設当時は「これは煙草ではない」だった。パイプがたばこを超越したたばこだということを訴えたかったからだ。しかしこの名前では誤解を招くおそれがあったので今の「シャーロック・ジュニア」に変更になった。しかし今日、改めて開設当時のタイトルの意味を噛みしめる思いだ。
 僕がパイプだけしか吸わないのは、別にかっこつけているわけでも、意地を張っているわけでもない。ただ単にパイプが一番自分にあっていると、そう思っただけの話だ。たしかにちょっとしたコダワリではあるのだが、本当のところはこれは好き嫌いの問題である。(2005/8/23)

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