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パイプの吸い方
パイプ各部の名称
パイプの吸い方を覚える前に、まずは上の図を見てパイプの各部の名称を覚えておきたい。人によってパイプの各部の呼び方が異なるのは、情報を発信したヨーロッパ各国の文化違いが原因かと思われる。紛らわしいので、当サイトでは他の呼び方は一切無視し、すべて上図に示した通りの名称に統一させていただいた。
葉を詰めるコツ

 まずは葉をボウルの深さにあわせて2.5グラムから3グラムほど取り出し、人差し指と中指と親指で軽くもみ、固まっている葉をほぐしておく。
 詰め方は、管理人もかなり試行錯誤を繰り返したが、あまり深く考えないことをおすすめする。重要なポイントは3・4回にわけてムラなく詰めることだ。
 よく1回目は子供の力、2回目は女性の力、3回目は男性の力で詰めるという風に言われるが、実際に男性の力で詰めたらコンクリートみたいに固くなってしまうので真に受けないこと。ようするに2回目は1回目よりも強く、3回目は2回目よりも強く詰めるということ。そうすることで全体に均等の固さで詰められる。一般に、湿った葉はやや気持ちだけ緩めに、乾いた葉は気持ちだけ固めに詰めると良いが、慣れないうちはそこは意識しない方が良い。葉を火皿に入れる時はそれほど神経質になる必要はない。回数を3回にわけていれば大雑把に入れてもちゃんと詰められるからだ。
  1回目は、人差し指で軽く形を整える程度で、大抵は何もしなくても平気だ、2回目には軽く押さえてみる。3回目は、隙間を埋める気持ちで葉全体をギュッと押さえつけてみる。このとき、人差し指で葉を押してみて、弾力で葉が軽く跳ね返ってくる程度が最適だ。詰めた葉は、逆さまにしても落ちてこない。この固さはよくカステラに例えられる。初心者は真っ平らに詰めることに神経質になってスカスカに詰めがちだが、形はそれほど意識しなくても良い。問題は詰める固さである。
 ボウルの10分の7くらいの位置まで詰めるのがオススメだが、長く吸うなら10分の9、初心者なら10分の5くらいがいいだろう。新品のパイプならブレイク・イン(カーボンの慣らし作業)しなければならないので10分の4くらいがいい。
 ちゃんと詰められたかどうかは、火をつける前にパイプをくわえてスーッと息を強く吸ってその音を確認する。スーッという音がつっかえる感じがしたら詰め直しだ。葉と葉に隙間があってはならないが、空気が全然通らないようでも駄目だ。しっかり満遍なくつめて、なおかつ、スーッと綺麗に音がすること。葉の詰め方さえ間違っていなければ後はなんとでもなるといってもいい。

火をつけるコツ
 煙草に火をつけるとき、マッチでつけるかガスライターでつけるかで意見が分かれるところである。マッチは擦ってからすぐにその火をパイプに移すと、煙が火薬臭くなるので、マッチの火は点火してから2秒間待ち、火を落ち着かせてからパイプに移そう。マッチの方が火がやわらかく、慣れれば一番使いやすいが、マッチは着火時に火が消えやすく、慣れるまでには時間がかかる。始めのうちはライターを使う方が簡単でいいだろう。マッチでかっこつけるのは吸い方をちゃんと覚えてからだ。
 火をつける作業は最低でも2回は必要だ。1回目は葉を炭化させる下準備の慣らし着火。2回目以降は喫煙するための本着火だ。
 まず慣らし着火から。パイプの火皿の上に火を近づけ、火をぐるっと一周回しながら息を吸い込み、火を吸引して着火する。これを3・4回繰り返す。ポイントは火を火皿の奥まで引きつける気持ちで、スーッと音が出るように強めに吸うこと。葉の表面だけをじりじりと焼きつけるのではなく、葉の内部までムラなく一気に火を通すのがコツだ。吸い過ぎると舌を火傷するので、1回の吸引は1秒間以内で済ませる。本来ならばそれほど強く吸わなくても着火するが、慣れない内は強く吸ってパイプに火を移す感覚を覚えた方が良い。初心者は最初からゆっくり吸おうとするから失敗する。慣れてから徐々に火力を弱めていけば良いのだ。
 葉の奥まで火が通ると、詰め方が間違っていなければ、葉全体が膨張してもっこりと盛り上がってくる。ここでタンパー(葉を押さえる道具)の登場だ。タンパーを使って、盛り上がった葉を、軽く押さえて、表面を平らに慣らそう。ちゃんと着火できていれば、この時、葉が硬くなっていることを実感できる。葉の表面は焼けて黒い炭状になっているはず。まだ全体が黒くなっていない場合は、全体が黒くなるまで慣らし着火を続けよう。これで準備完了だ。
 いよいよこれからが本着火。今度はさっきのように強く吸わなくても簡単に着火できるので、ゆっくり吸って良い。火皿の上に火を近づけて、火を回しながら、表面でなく、奥まで火が行き渡るように意識して、1回息を軽く吸い込もう。今度は火をパイプから離して、さっきと同じ様に1・2回スーッと軽く息を吸ってみよう。パイプをくわえたまま息を吐いたときに火皿から煙がふわっと巻き上がったら着火成功だ。煙が弱いようだったらもう一度着火し、火をムラなくつける。慣れないうちは、鏡を使って葉の表面の燃え方を観察し、着火時に表面全体が赤く燃えるようにつけると良い。全体が赤く輝くのは、この時点だけだ。吸い始めたら火種は小さくなる。
煙を燻らすコツ

 着火がうまくできたら、あとはそのままそっと口にくわえているだけでいい。それだけで甘い味と香りを楽しむことができる。シガレットは「吸う」もの、パイプは「燻らす」ものだ。パイプは雰囲気と味と香りを楽しむものなので、煙は肺に入れなくても良い。基本は、普通に呼吸するように吸って吐く感じである。ゆったりと吸うことで火種を意地し、吐くことで燃え過ぎを防止する。
 パイプはずっとくわえたまま、吐くときは口を少しだけ開けて、息の半分をパイプの煙道にくぐらせるようにする。そのためパイプは口の左側か右側に寄せて斜めにくわえた方が良い。パイプが揺れないようにビットを噛む。煙はシガレットみたいに口からとフーッと吹き出すものではなく、パイプの火皿からゆるやかに一筋のぼっていく感じだ。煙が弱くなってきたら、口を閉じてゆっくり優しく息を吸い込むと煙が復活する。口の開閉の調整だけでもずいぶんと火の強さが変わってくる。
 ときどき映画スターを気取ってシガレットみたいに煙を口に含んで吹かしてみても構わないが、これを何度もやりすぎるとパイプが熱くなり、味が悪くなるからほどほどにしよう。映画で見られるパイプの煙がもくもくと出ているのは、それが画的に様になるからそうしているだけなのであって、本来ならばパイプから出る煙はもっと柔らかいイメージである。消えかけの状態を意地したまま、パイプを温めないようにクールスモーキングを心がけよう。
 火が消えてしまったら、また着火する。慣れないうちは1ボウル吸いきるまでにマッチ箱1箱全部のマッチがなくなるくらいの覚悟をしておいた方が気が楽かもしれない。消えてからすぐに着火してもいいが、30分後に着火しても味はほとんど損なわれない。むしろ休憩を挟んでパイプを冷ませば、吸い始めと同じ味が復活するので、小分けにして長い時間を掛けて楽しむのも一興である。
 ボウルの表面が熱くなった場合、それは葉と葉の間に隙間ができたことによる焼きすぎが原因であるから、タンパーで軽く押さえて表面の炭を潰すこと。このとき、息をゆっくり吸いながら押さえれば火は消えることはない。パイプは喫煙しているうちは黙っていても隙間ができるものだから、タンパーは何度か活用することになる。うまく燻らせばボウルの表面は少し温かくなる程度で、異常に熱くなることはない。
 火がつきにくくなったら、葉の表面を灰が覆っているのが原因なので、タンパーで灰を押しつぶせば火つきが良くなる。慣れないうちは、ボウルを逆さまにしてトントンと叩いて余分な灰だけを落としても構わないが、慣れてきたら灰は最後まで捨てずに吸ってみよう。
 吸ったときにジュルジュルと音がしたら、それはジュースという水分が発生していることになるので、ステムを下に向けてパイプを1・2回振り、遠心力でジュースを外に飛ばせば良い。あまりジュースが出るようだと底の方の葉が臭くなって最後まで吸いきれなくなるので注意しよう。
 パイプ喫煙で一番難しいのは煙の燻らし方である。パイプの味は、吸っている環境にわずかに風があるだけでも本来の味が楽しめなくなるほどデリケートだ。口の呼吸も鼻の呼吸も加減が難しい。吸い方が強すぎると味が辛くなり、煙が焦げ臭くなる上に、火皿の底にジュースが発生してしまう。かといって吸い方が弱すぎると10秒もたたぬうちに火は消えてしまう。フィルターがあるかないかだけでも吸い方は変わってくる。こればかりは何日も経験を重ねて慣れるしかない。
 うまい吸い方は下手な吸い方の数倍以上美味しく感じるはずなので、明らかに「これか」という手応えがある。手応えを感じたときの感覚をいつまでも忘れないようにすれば、パイプ習得の日はもう間近だ。慣れてしまったら、最初舌を火傷したのが不思議なくらいになっていることだろう。

清掃のコツ

 葉がすべて灰になったら喫煙終了だ。ピックを使って灰をかきだそう。最低でもパイプは全部吸うのに1時間前後かかる。シガレットを吸う人は、パイプが時間をかけて吸うわりに灰の量が少ないことに驚くだろう。
 パイプはできれば最後まで吸い切って欲しい。そうすることでカーボンが均等に付着し、日に日にパイプの味もよくなっていく。吸った葉の味がカーボンに練りこまれていくのだ。パイプ・スモーカーが沢山のパイプを所有しているのは、それぞれのパイプに違う味を染みこませたいからなのかもしれない。
 清掃は1回の喫煙ごとに行う。面倒かもしれないが、この手間もパイプ・スモーカーには案外楽しかったりする。
 パイプの温度が下がったらステムを右に回して取り外そう。ステムは取り付ける時も外すときも右回しだ。フィルターを入れていない場合は、ステムは外さない方がいいだろう。次に、モールクリーナーを使って煙道に付着したヤニを吸い取り、かきだそう。モールの太い方を使ってシャンク側、細い方を使ってステム側の煙道を清掃する。火皿が灰で汚れている場合、モールをU字型に折って清掃し、灰を落とす。モールは1回使ったら捨てること。吸い口から嫌な臭いがしたら、モールでは落ちないしつこいヤニがこびりついていることになるので、専用のパイプクリーナー液を使ってまめに掃除する。
 カーボンは厚くなりすぎると、パイプのひび割れの原因となるので、厚くなってきたらナイフかリーマーで1.5ミリ程度の厚さを残して削り取ろう。
 パイプの外側も使っているうちに手あかでべとついたり、手の皮脂でぬめぬめしてくるので、やわらかい布で磨くこと。パイプを相棒と思って育ててあげよう。

 これは、あくまで管理人独自のやり方なので、絶対のルールではない。ぜひあなた自身で自分に最もあった吸い方を見出していただきたい。

葉をつまむ
ひとつまみの葉。これを3・4回にわけてパイプに詰める。

1回目を詰める
1回目の葉を入れたところ。とくに押さえる必要はない。

2回目を詰める
2回目の葉を入れたところ。2回目は軽く押さえている。

3回目を詰める
3回目の葉を入れたところ。この段階では葉と葉の隙間はまだスカスカである。素人はこの状態で吸って失敗する。

詰めた後
葉を人差し指で奥へ押し込んでみたら、10分の8くらいの位置まで下がった。葉が足りないようなら4回目を付け足しても構わない。

最初の着火
まずは慣らしとして火をつける。火を回しながら、奥までまんべんなく火を行き渡らせる。割と強めに素早く吸ってみよう。これを3・4回繰り返す。

炭をつくる
もりあがった葉をタンパーで押さえたらこのようになる。黒く硬い炭状になっていることがわかる。

2回目の着火
いよいよ本番だ。まずは火をあてた状態で1回吸う。ゆっくりと全体にムラなく火をつける。

煙
今度は火を離した状態で1回吸ってみて、息を吐いた時に煙がふわっとあがれば、うまく着火に成功している。

はじめのうち
吸っているうちに葉に隙間ができ、パイプが温かくなってくる。

タンパーで押さえる
タンパーで押さえ、表面の炭を潰し、タンパーを回しながら隙間を埋める。

押さえたあと
吸って、押さえて、吸って、押さえて、これを繰り返しているうちに煙草は灰となり、体積が減っていく。

灰を捨てる
すべて吸い終わったらパイプを逆さまにして灰をトントンとたたき落として喫煙終了。全部吸いきっていればボトリと落ちるはず。この後、パイプが冷めるまで待ってから、モールを使って必ず煙道を掃除しよう。

カーボン
何度か吸っているうちにカーボンが生成される。上写真は何も手入れをしていないためにカーボンがでこぼこしているが、形が気になったらナイフで削って整えると良い。

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